シドニーの爽やかな青空の下での散歩は気持ちの良いものです。シドニーは徒歩で回れるほどコンパクトな街なので、朝は早めに起きてオペラハウスやハーバーブリッジを眺めたあとは、早朝から忙しく会社へ急ぐビジネスマンたちを横目に、ゆっくりと街並みを散策してみるのはいかがでしょうか。
オペラハウスやハーバーブリッジのある北の端から、目抜き通りのジョージストリートを歩いて南に向かうとシドニーの中心部であるタウンホール駅に到着です。そこから更に南に5分ほど歩くとゴールバーンストリート(Goulburn street)という通りに着きます。このストリートは市内中心部とチャイナタウンを分ける境界線に当たります。ここから北はシドニー中心部(CBD)そして南側はタイ人街、チャイナタウンへと続きます。この辺りまで歩くと、小腹も空いて来るでしょうしコーヒーでも飲んで小休憩を入れたいところです。
そのまま道を渡ると26階建ての中規模のビルが見えてきます、そしてそのロビーを入ったところにあるのが、The Shed Café(ザ シェッド カフェ)です。外からは良く見えないのですが、中に入ると広々としたスペースが広がり、手前のカウンターでは持ち帰りのコーヒーを、奥のカウンターでは朝食のサンドイッチが焼きあがるのをビジネスマンたちが並んで待っています。テーブル席に座ってコーヒーを飲みながら早朝からミーティングをしているビジネスマンのグループも数組見受けられます。
店内に入るとグラインダーの豆を挽く軽快な音が聞こえ、淹れたてのエスプレッソの芳醇な香りが漂ってきます。
The Shed Cafeは、ここ数年でシドニー近郊そしてキャンベラまで進出を遂げた、新興フランチャイズカフェです。そして今回訪れたのがその第一号店であり、唯一のシドニー市内にあるお店です。Spirit(スピリット)という最高峰のエスプレッソマシーンを使い、こだわり抜いたコロンビア産とグアテマラ産の豆をバランスよく配合したオリジナルブレンドのエスプレッソには定評があります。
オリジナリティー溢れる通常のメニューに加え、その場でパンの種類や焼き具合、そして中に入れる具の種類までカスタマイズ出来るサンドイッチバーもあります。また週替わりで提供されるシェフオリジナルのランチメニューにも定評があり、ビルの中で働くビジネスマンたちの憩いの場であり、時には会議室代わりに使われ、またランチ時にも利用されるというダーク基調の落ち着いた雰囲気のカフェです。
カウンターは二つあり、入り口の横にあるカウンターでは主にコーヒーの注文を受けて、奥のカウンターではサンドイッチやフード関係の注文を受け取ります。お客さんの殆どが、カードで支払うようですが機械にタッチするだけで清算が完了するのでレジで待たされたりすることはあまりないようです。
働いているスタッフはアジア人の女性が多いですが、みんなフレンドリーで常連のお客さんたちとの会話を楽しみながらキビキビと動き回っています。
オーストラリアのカフェで飲むコーヒーの基本は専用のマシーンでいれるエスプレッソです。その基本のエスプレッソにお湯やミルクを様々にアレンジして自分好みに仕上げて飲むのがオーストラリア流です。ここは地元のオージーたちに交じってカウンターで注文をしてみましょう。実際によく聞かれるのは基本的に次のような事なので、あらかじめ心の準備をしておけばカウンターであわてずに済みます。
1.お店で飲むのか持ち帰りか?
2.サイズは?
3.コーヒーの種類は?
4.特別のアレンジ(ミルクの種類、薄めや濃いめ、温度の設定など)は?
と言った流れですが、初めての注文では3.コーヒーの種類と4.特別のアレンジで戸惑ってしまうかも知れません。コーヒーの種類は大別してミルクが入るか入らないかの違いです。人気があるのはミルクなしだと、エスプレッソやお湯で薄めたロングブラック、ミルク入りだと、カプチーノ、ラッテ、フラットホワイトと言ったものです。日本のブラックコーヒーに近いのがロングブラック、ミルクコーヒーに近いのがフラットホワイトになります。カプチーノやラッテは上にフワフワのミルクの泡を乗せて、花やハートなどのアートを作ったり見た目でも楽しいコーヒーです。特別のアレンジとは、別に必要なければ何も言う必要はありませんが、更なるお客さん個々人の要望に応えてくれるもので、ミルクの種類を変えてくれたり、薄めや濃い目と言ったところから、ミルクの温度を高めにしたりといった事までも柔軟に対応してくれます。
朝はコーヒーと店内で焼き上げる香ばしいクロワッサンのセットがありかなりお得です。このクロワッサンは人気商品で、昼過ぎには売り切れてしまう事もあるので要注意です。本場フランスで成形した生地を持ってきて、店内で毎朝焼き上げるのでサクサク感とバターで練り上げた生地の香ばしい食味はカフェならではの味わいです。ブラックコーヒーでもミルクコーヒーでもどちらにでも合うのでお薦めです。
他にも朝食メニューは充実していて、トーストだけでも数種類のパンの中から選ぶことが出来ます。またトーストに塗るのもバターやジャムだけでなく、ビール酵母で作られたオーストラリアならではの「ベジマイト」という癖の強いスプレッドもあります。ダイエット中の人にも、フレッシュヨーグルトやカットフルーツ、その場で絞る100%のフレッシュジュース、そしてフレッシュミルクで作るスムージーも充実しています。
それでもお腹が空いているという人は、すべて盛り込んだ贅沢メニューの「The Shed Breakfast」がお薦めです。 この欲張りメニューは、お好みのトーストに卵、ベーコン、ほうれん草、トマト、マッシュルームが盛り込まれたオールスターメニュです。またすべてのメニューで持ち帰りも出来るので便利です。たまには公園に持って行ってオージーたちと一緒に芝生に座って食べてみるのも良いかも知れません。