おすすめティータイム だったらロンドンでしょ!

2018.11.28

 

ということで、とにかくイメージだけでロンドンへひとっ飛び。

有名なのはリプトンとかトワイニング?でも日本でも飲めるよね。

でもまあ、私の旅のキーワード「せっかくだから」のひと言で、ロンドンの一流ホテルでアフタヌーンティーに決定!

どのホテルにしようか、リッツホテル、サヴォイ、フォーシーズンズ、ブラウン、、、検索していると、お隣の若い男性が「アフタヌーンティーのおすすめホテルはどこですか?」と声を掛けられる。

ちょっとドキドキしながら、「私も初めてなので」と慎ましく答えて、そのあとだんまりでそれっきり。つれないわ。

さて、空港についてそそくさと移動して、ホテルにチェックインしながら、コンシェルジュにおすすめのホテルアフタヌーンティーを尋ねてみると、リッツホテルオンリーとのこと。ほんとかと思いつつもとりあえず予約をお願いして、荷物も預け、さっそく街へと繰り出したら、喉から手が出るほど欲しくなるような素敵なティーポットをすぐに発見。いや待て、まだ旅の序盤よ、買い物リストの候補に挙げておくだけに気持ちを抑えて歩き出す。

 

 

とはいうものの、リッツホテルでアフタヌーンティー、それってすごいの?

ちょっと足を止めてまた検索。

ん? ドレスコードあり? 男性はジャケットにシャツとネクタイ、ジーンズ不可。革ベルトに革靴着用。女性は、ワンピースとパンプス、控えめにアクセサリーを着けて、小さめのバッグを持つだけ。まあ、これなら普段持っているもので大丈夫と安心して、いざ胃袋を満たさん! と勢いよく立ち上がると、目の前に驚いた顔のあの若い男の子が立っている。なにに驚くのだ、まだロケットのように立ち上がる筋力はあるのだよ青年!

品よくぺこりとおじぎをして立ち去ろうとした瞬間、「アフタヌーンティーどこ行きますか?」ってかわいい声がするので、振り返りざまウサギのようなかわいい眼をじっと見る。

「リッツホテルにしました」

「いいなあ」

なんともまあ、曇りひとつない心の底からうらやましいと思っている声をお出しになる。

「……一緒に行く? 1人でも2人でも大丈夫だと思うけど」

「行きたいです! 行ったことないので」 素直な答え! 惚れるわ。

「じゃあ、夜の7時に予約したから、ちょっと早めの5時にホテルの前で待ち合わせということで」

「分かりました! では5時に!」と、颯爽と去っていく若者の後姿を見てボーっとする。

そしてすぐハッとするのだが、時差ボケのせいなのか、名前を聞き忘れたのと、なぜか2時間も前に待ち合わせをしたことに気付き赤面状態。下心がつい出てしまったのか。

あわあわとロンドンの空気を揉みながら天を仰ぐ私だった。

 

待ち合わせの5時。

ドレスアップを済ませ緊張気味に待つ私。

ホテルのコンシェルジュには人数の変更もお願いして問題なかったのだが、なんだかソワソワ。

すると、時間通りにやってくる若者。その姿を見た私のあごは外れるかと思うくらいあんぐりする。

ドレスコードのことを伝え忘れていることにその時はじめて気づいた。

ジャケットが見当たらない。ジーンズ、、、ではないとは思うが何の素材のパンツ? 白シャツを着ていたことだけが救いだけど、裾はインパンツできない。

「ジャケットは?」

「この暑いのに必要ですか?」

な、なるほど、確かに暑すぎて必要はないのだが。

「ちょっと聞いてみます」

若者の瞬発力はすごい。言ったそばからもうドアマンに声を掛けている。

苦笑いのドアマンだが、すんなり通り過ぎた。私も急いで後を追うと、ドアマンのおじさんの言葉が私の背中に突き刺さる。

「フロントにいる日本人に聞け。彼女は日本語が喋れる」

なんとなくホッとしながら、フロントに行くと、若者が私を待っていた。

私はキョロキョロして、日本人スタッフか誰か日本人がいるのかと見渡したが、アジア人らしき人はいない。

仕方なく、フロントの女性に話しかけて、ドレスコードのことを聞いてみた。

すると、私の格好はOKで、彼は✕とされた。やはりジャケットが必要でネクタイも必要。

彼はクールビズとかおかしなことを言っていた。

どうしようかと悩んでいると、そこに日本人らしき女性スタッフが現る。

「どうされました?」 女神降臨の瞬間。

かくかくしかじかこういうことでと状況を説明すると、近くにはたくさんお洋服屋さんがあるので、買ってくるしかないですねと当然の答えが返ってくる。

私はちょっと気になったので、

「このパンツはジーンズではないのですがダイジョブ?」とカタコトになりながら、彼のズボンを見てもらうと、

「んー、蛇皮だよね。これは良しとしましょう」とOKが出る。

蛇皮だったの? と虫眼鏡を持ち出したい気持ちを抑えていると、

彼女が彼の足元をまじまじと見ていることに気付く。

「スニーカーだよね?」

「え? ダメですか? 蛇皮ですけど」

なるほど彼の中では蛇皮なら革靴として成立するのか。

 

 

日本人女性スタッフが他のスタッフと何やら相談しているが、やはり革靴とはみなされず。

「ああ、じゃあ買ってきます!」 それでも若者はニコニコ。この時点でも名前を知らない。

まだ時間が早いので、私もショッピングについて行くことに。

今着ている服とコーディネートさせながら、安いけれども見た目はしっかりしているジャケットとネクタイを購入。革靴に見える安い靴を見つけ、これで安心と思ったが、何か不安がよぎり。もう一度ホテルに戻って服装チェックをしてもらうことに。

急ぎ足でホテルに戻ると、優しそうな笑顔で彼女が迎え入れてくれた。

「おかえりなさい。ふむふむ」

と言いながら、彼の裾が出ているシャツをズボンに入れてあげる彼女。ドキドキ。

私は指の隙間からこの若い2人を凝視しちゃってますが、ってときに、

「あ、ベルトも革でお願い」

「分かりました!」 若者の声の元気がいいこと。ノリノリになっているのがあからさますぎる。

そして2度目のショッピング。先程のお店ですぐさま革ベルトを購入。

この時には彼のクレジットカードを見て名前をゲット。ほうほう、Yさんですか。

お若いのにいい色のカードをお持ちでと、やっかむ気持ちを表に出さないように抑えつつ、またホテルに戻る。ちょうど予約の時間に間に合うタイミングで到着。

すると、ドアマンのおじさんもフロントのお姉さんたちもみんな笑顔で迎え入れてくれて、OKサインとウインクが飛び交う。

えええ、と思う間に、ティーラウンジの奥に案内される。

右隣は貴族風の4人家族。左隣はアラブの石油王のようなお若いカップル。

 

 

その間に挟まれた小さい平たい顔の私達。

そしてこのあと、見せ物小屋のようなティータイムが始まる。

 

 

この続きは、また後日。

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